2011年1月2日

日本のメーカーの電子書籍ビジネスって……

電子書籍元年といわれた2010年にギリギリ間に合わせるように、日本でも電子書籍用のデバイスが登場してきた。シャープ、ソニーなど日本のメーカーがデバイスを発売して、これから来るであろうアマゾンを迎え撃つ体制を整えているといったところだろうか。でも、やっぱりこの勝負、アマゾンの優位性は揺るがないと思う。それは決して「ガラパゴス」だからなんて理由ではなく。

電子書籍ビジネスのキモは書店だと思っている。アマゾンが示してくれたとおり、“Buy a Book Once. Read it Everywhere.”というのが電子書籍で可能な特性の一つ。それはデバイスを問わない、もっとはっきり言えば、必ずしもデバイスを必要とはしないことを意味している。それは電子書籍が売れればデバイスが売れなくてもかまわないアマゾンだからこそのサービスだったかもしれないが、アメリカではスタンダードになり、バーンズ&ノーブルのNookなども追随してアプリをリリースしている。

Kindel端末自体は有料で販売しているので、意識しない人もいるかもしれないが、これはれっきとしたフリービジネス。各種プラットフォーム向けアプリは無料で利用できて、コンテンツが有料で販売されている。カミソリと同じようなやつですね。このような状況では、最終的にコンテンツがたくさん売れればいいアマゾンと、基本的にはデバイスを買ってもらいたいシャープやソニーのどちらが有利かといえば、間違いなくアマゾンだろう。

もちろんシャープやソニーも単に端末を売っているだけでなく、書店の運営にも関わっている。でも、シャープはCCCと組んだのが失敗の始まりになるんじゃないかと思っている。書籍なんて薄利な商売だ。利益を複数社で分け合っていてはうまみが少ない。そういう意味では、ソニーはブックリスタから本を仕入れる体制にはなっているが、書店運営は独自に行っているので多少まし。それでも、よい書店を作るのってそんなに簡単なことじゃないわけで、素人がそうそううまくいくとは思えない。どう考えてもアマゾン有利でしょう。

電子書籍というとフォーマットもかなり話題になる。日本国内でしか通用しないフォーマット作りに血道を上げているなんて、ガラパゴスで将来性がないとかいう指摘もあるが、それをいったらアマゾンだって独自フォーマットなのだ。汎用フォーマットのほうがいいのは間違いないけど、ビデオデッキのようにデバイス=フォーマットという状況ならともかく、アプリを提供すればすむ以上、フォーマット問題を過剰に意識することもないと思う。

それから、デバイス自体の良し悪しだって、そりゃあ、重要ですよ。でも、現時点のモデルはシャープのGALAPAGOSもソニーのREADERも中途半端な商品にしか見えないわけで、不利な状況を覆すような力があるようには思えない。

結局、デバイスまわりの問題とは関係ない部分で勝負はついてしまいそう。

ちなみに、話題のソーシャルリーディングでもカギを握るのはアマゾンではないだろうか。現状、日本ではコンテンツごとにソーシャルリーディングの試みが行われているが、本当の意味でプラットフォームになれるのは、DRMの共通化とかでもないかぎりは、電子書店を置いて他にないと思う。そういう意味でも、Kindleの日本市場参入を楽しみにしております。